信州味噌の概要
信州味噌(しんしゅうみそ)は、長野県を中心に広く生産されている日本を代表する味噌のひとつです。全国の味噌生産量の約5割を占めており、家庭の食卓から業務用まで幅広く親しまれています。
※製品としての「信州味噌」は、長野県味噌工業協同組合の登録商標です。
特徴
色合い
淡い黄褐色から赤味を帯びたものまで幅があります。全国展開されているメーカーの味噌は一般に「淡色」ですが、しっかり熟成させた塩屋醸造のお味噌は「赤色」に近い色合いです。
味わい
塩分を程よく効かせ、大豆の旨味と米麹の甘みがバランスよく調和しています。 よく熟成させた熟成タイプの信州味噌は、「塩なれ」といって角の強い塩味が馴れて食べやすくまろやかになります。
香り
まろやかな香りでクセが少なく、毎日のお味噌汁に使いやすいのが特徴です。
製法
信州味噌は、大豆・米麹・塩を原料とし、主に中期(3〜6か月)から長期(半年以上)の熟成で仕上げられます。寒冷な気候を生かしたじっくりとした発酵により、味が引き締まり、香りも豊かになります。
歴史
長野県での味噌仕込みの歴史は古く、戦国時代には武田信玄や真田氏の兵糧として重宝されたと伝わります。保存性の高さと滋養に富むことから、長野の人々の暮らしに欠かせない食品となり、やがて全国に広まっていきました。
信玄の時代のお味噌はどんな味噌?
信玄が活躍した戦国時代の味噌の製法については正確な記録がほとんど残されておりませんが、東海から中部にかけて受け継がれてきた製法を考えると、「味噌玉製法」(大豆を麹にする製法)により製造されたお味噌だったと推測されています。長野県でも、塩屋醸造を含めた一部の味噌屋や、地域の伝統的な醸造法として現在でも存続しております。
執筆:奥西(塩屋醸造)